こんにちは、ヨーコです。


ADL(activities of daily living)という言葉を聞いたことはありますか?

ADLとは、日常生活動作と訳され、普段の生活で行っている

食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動をさします。


サラッと書きましたが、健康な人には問題なくこなせることでも、

病気になったりすると、普通に着替えたり、トイレに行ったり、身だしなみを整えたり、

食事をとってお風呂に入ったりすることが、難しくなることがあります。


機能的自立度評価法(Functional Independence Measure、略称FIM)

FIMは、1990年にアメリカで開発されたADLの評価法のことです。

FIMの目的は、対象者の自立度と介護量を把握することにあります。


FIMは、研究の中も使われています。

例えば、脳卒中患者のリハビリの効果を調べるために

リハビリ前と後のFIMの点数を比べています。

↓↓↓↓

認知症がある脳卒中患者のリハビリの効果は?




FIMは食事や移動などの「運動項目」13項目と「認知項目」5項目の全18項目からなります。

それぞれ各項目のADLごとに、1から7の7段階で評価します。

1が最も悪く7が最もよい、という評価です。


満点が126点で、「完全自立」

最低点は18点で(全項目1点)、「全介助」となります。

運動項目

セルフケア

1. 食事 (口に運んで咀嚼し、嚥下)

2. 整容 (口腔ケア・整髪・手洗い・洗顔・髭剃りまたは化粧)

3. 清拭・入浴 (身体を洗う、拭く)

4. 更衣(上) (上半身の衣服の着脱)

5. 更衣(下) (下半身の衣服の着脱)


排泄コントロール

6. トイレ動作(衣服の着脱やお尻を拭く動作)

7. 排尿管理(タイミングよく括約筋を緩める)

8. 排便管理(タイミングよく括約筋を緩める)

移乗

9. ベッド・椅子・車椅子への移乗 (往復の動作)

10.トイレ移乗 (便器へ移ること、便器から離れること)

11. 浴槽移乗 (浴槽またはシャワー室に入り、そこから出る動作)

移動

12. 歩行状態 (立位の状態であれば歩行、座位の状態であれば平地での車椅子の移動)

13. 階段昇降 (屋内の12~14段の階段)


認知項目

コミュニケーション

14. 言語の理解 (視覚・聴覚からの情報を理解)

15. 言語の表出 (言語的または非言語的表現)

社会認識

16. 社会交流 (他人と問題を起こさない・他人の事を考えることが出来る)

17. 問題解決 (日常生活の中で起こる問題に対する合理的対応)

18. 記憶 (よく会う人を認識している、日課を覚えている、他人の依頼を実行する)

修正自立

FIMでいう「自立」ですが、

補装具を使っても自立(修正自立)とみなします。


余談ですが、私の住んでいるカナダでも

必要とされる補装具(assistive device)の研究開発に

高齢者などの実際に補装具を使用する人たちを加え

実際に使用者が求めている補装具を作って、

使用者の自立に役立ててもらおうという動きがあります。


AGE-WELL というネットワークなんですが、

ネットワークを紹介した動画があります(英語)。

↓↓↓↓

https://youtu.be/Umho6Ti3T_8


補装具を上手に使っての自立も、立派な自立です!


脳卒中と認知症のまとめ記事