こんにちは、ヨーコです。


先日Cさんという方からお問い合わせがありました。

Cさんには、89歳で、認知症もあり、大きな脳出血もしているご家族がいて、

「脳の可塑性をほんの少しでも望めますでしょうか。」というご質問でした。


Cさんのお問い合わせに関する記事はこちらを!

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神経細胞の再生、認知症や脳卒中発症後も可能?〜お問い合わせから




ここで少し、脳卒中と可塑性の関係について簡単に見ていきたいと思います。


可塑性とは

可塑性というのは、脳の神経細胞(ニューロン)が再編成される過程をさします。

病気等で傷ついた脳が治癒の過程で、神経細胞を配線し直すメカニズムのことですね。


神経可塑性の詳しい記事はこちらを!

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高齢者の脳トレ情報、神経可塑性〜脳は変化する!



脳卒中後の神経細胞の再編成

脳卒中の後、脳卒中の種類や場所によりよりますが、部分的に脳が損傷され、

損傷された部分の脳が担っていた機能に障害が起こります。


たとえば、注意を担う右脳の部分が損傷されると、

左側に注意を向けることとが難しくなってしまいます。

こういった症候のことを半側空間無視といいます(spacial neglect)。


ここで注目したいのは、あえて、「難しい」と書いたことです。

「全く不可能になった」のではないんですね。


ここで登場するのが、脳の可塑性です。


例えば先ほどの半側空間無視ですが、

脳の可塑性に託したプリズムを使ったリハビリ・脳トレも研究されています。


この方法は「プリズム順応(prism adaptation)」といって

ゴーグルなどにはめ込まれたプリズムのレンズによって視界を右方向に移動させます。

このプリズムのゴーグルをつけたまま何かをしようとするとき、

どうしても左側に注意を向けることになります。

(実際の物の位置と目から入ってくる位置の情報が違うので)



この後ゴーグルをとると、残効のために注意の中心が左側に移動することにななります。

つまり、この方法は右脳が損傷し、左側の空間無視の症候の人に適しているわけです。

右側の空間無視の人には、視界を左側位移動させるプリズムを使います。


ポイントとなるのは、ある程度の間このゴーグルをつけて何かをすることです。

つまり、反復することが重要なのです。

反復することの重要性


脳卒中後にニューロンの再編成するのは、動物が獣道を作ることに似ています。

動物が一回と通っただけでは獣道は作られません。

でも、何回も何回も同じところを動物が通ると、ついには道ができるわけですね。


脳も同じことで、何回も何回も脳を刺激していると

ニューロンが繋がって再編されてくるんですね。

脳卒中から回復するには年を取りすぎている?

そんなことはありません。


脳卒中を経験する人のうち、3分の1に人は回復すると言われます。

損傷を受けた脳の部分が回復するか死んでしまうかは、

リハビリ・脳トレを通した学習を通して、

いかに早く脳がコントロールを回復するかにかかっています。


脳の可塑性活性化する

理学療法、作業療法、言語聴覚士などの紹介を速やかにしてもらうことが重要です。


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