こんにちは、ヨーコです。
先日Cさんという方から、痴呆症と脳卒中を経験されたご家族についての質問がありました。
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私の住むカナダでは2011年のデータによると
脳卒中の死亡率はガン、心臓疾患に続く第3位。(Statistics Canada, 2011)
日本でも厚生労働省が発表した2015年のデータによると、
脳卒中の死亡率はガン、心臓疾患、肺炎に続く第4位でした。
ちなみに、第5位は老衰です。[平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況]
「脳卒中」ということば、家族や知り合いに経験された方がいなくても
馴染みがあるのは、私にとって、最も身近な死因の一つだからですね。
そして、Cさんのご家族も、脳卒中を経験された一人です。
脳卒中とは?
脳卒中は、脳の血管に障害が起きることで生じる疾患の総称で、
脳の血管がつまる「脳梗塞(のうこうそく)」と、
脳の血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
Cさんのご家族は、脳卒中でも脳出血を経験されました。
私の日本に住んでいる妹の義理のお母さんは、くも膜下出血で倒れました。
どちらも、脳の血管が破れて出血するタイプの脳卒中です。
「脳出血」では、脳の中の細かい血管が破れて出血し、
「くも膜下出血」はでは、脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れて
くも膜の下に出血します。
クモ膜とは、脳を覆う3層の薄い膜のうち、外から2番目の膜です。
下の図を見てもわかりますが、
年をとるにしたがって、脳卒中になる可能性が高くなていきます。
そして、女性より男性のほうが、脳卒中になる可能性が高いですね。
参考文献:
厚生労働省 事業場における治療と職業生活の両立支援のための ガイドライン 参考資料
脳卒中に関する留意事項
脳卒中死亡の変遷とその理由
最近は、医療の発展に伴い、脳卒中による死亡率は低下しています。
かつては脳卒中の死亡率は一番で、
国民病と呼ばれていた時もありました(1950~1960年代)。
これは、治療薬の登場で、結核が2位へと後退したからです。
しかし、それも長くは続かず、
ガンがトップを奪い、1980年代には脳卒中は、心臓疾患と並び2位へと後退します。
そして現在は、第4位です。
脳卒中は大きく分けると脳梗塞と脳出血にに分けられると先ほど書きました。
以前は、脳出血の死亡率のほうが多かったのですが、
脳出血の原因である高血圧と血管のもろさを減塩と高たんぱく質で改善した結果
脳出血での死亡率は減少しました。
一方、飽食の時代を迎え、糖尿病などが増え、脳の血管の壁に脂肪がたまって血管が詰まる
脳梗塞が増加しました。
1975年頃に、順位が逆転して、現在は脳梗塞の死亡率が脳出血より高いですね。
脳卒中後の回復は?
一般に、脳卒中というと
手足の麻痺や言語障害などの大きな障害が残るというイメージがあります。
しかし、特にに若い人の場合、発症直後のリハビリや脳トレによっては、
約7割がほぼサポートを必要としないレベルまで回復します。
しかし、実際には高齢者のほうが脳卒中になる可能性が高いので、
高齢者の回復の見込みが気になるところです。
下のグラフでもわかりますが、
65歳以上75歳未満で約6割、75歳以上85歳位未満で約5割
85歳以上でも3割と、まだまだ希望を持てる数字が出ています。
部分的なサポート含めた回復を含めると
高齢者の場合さらに2割の人たちが、回復するということです。
つまり85歳以上の人でも5割の人が回復するということですね。
参考文献:
厚生労働省 事業場における治療と職業生活の両立支援のための ガイドライン 参考資料
脳卒中に関する留意事項
脳のどの部分が損傷されたか、またその度合いにもよりますが、
リハビリや脳トレの重要さが注目されている理由がわかりますね。