こんにちは、ヨーコです。


脳卒中の後遺症の一つに「半側空間無視」があります。


半側空間無視は、脳卒中や事故などで右脳に損傷が出たときに起こりやすく

左側の空間に注意を払えなくなり、結果として左側の空間を認識できなくなります。




注意のネットワークに関する詳しい記事はこちらを!

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高齢者の脳トレ:認知機能(注意のネットワーク)を鍛えよう!




さて、半側空間無視のリハビリの方法の一つに、

プリズム順応(prism adaptation)があります。

プリズム順応とは?

プリズム順応は、1998年のRossetti博士の研究で、よく知られるようになりました。


参考文献:Rossetti Y, Rode G, Pisella L, Farné A, Li L, Boisson D, Perenin MT. Prism adaptation to a rightward optical deviation rehabilitates left hemispatial neglect. Nature. 1998 Sep 10;395(6698):166-9.


Rossetti博士の研究の中で、右脳の損傷による左側の半側空間無視の患者に

プリズムの入ったゴーグルをつけて、

「左右に現れるターゲットを指で指す」ことを繰り返してもらいます。

ほんの5分くらいしかかかりません。


これがプリズム(10度)の入ったゴーグルですが

(Rossetti博士の使ったものではありません!)、

これをつけると視野が10度右に移動して写ります。

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たったこれだけのことなんですが、この前後のテストの結果を見ると、

プリズム順応の後には、左側の空間にも「注意」が払われるようになったのがわかります。

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出典:Rossetti et al., (1987)

その他にも、線分抹消試験でも、プリズム順応後に左に注意が払われるようになったそうです。


模写試験と線分抹消試験は、BIT行動性無視検査にもありますね。

BIT行動性無視検査に関する詳しい記事はこちらを!

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脳卒中の後遺症:半側空間無視と検査・診断〜BIT行動性無視検査





さらにプリズム順応後には「中心」の感覚も右寄りから、ほとんど中心へと移っています。


プリズム順応前と後の別のテストでは、

目隠しをして目の前の「中心」を指差してもらいました。


下の図のように、「中心」の感覚もプリズム順応前の右寄りから(薄い線の腕)、

順応後にはほとんど中心へと移っているのがわかります(はっきりした線の腕)。

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出典:Rossetti et al., (1987)

研究者がそのメカニズムも解明しようとしているのですが、なかなか難しい分野で

はっきりとした答えは見つかっていません。


ただ、リハビリの効果はあるので、

どのようにプリズム順応を応用しようかという研究がされています。


例えばカナダの研究者は、コンピューターを使ったモグラ叩きのゲームとゴーグルを組み合わせ

どこでもて楽しくリハビリができるよう研究を進めています。


ダルハウジー大学のEskes博士がCBC(日本でいうNHKのようなもの)で、

プリズムのゴーグルをつけるとどうなるかを説明しています。

ちらっとモグラ叩きのゲームも写っていますね。


字幕はありませんが、

プリズムのゴーグルをつけるとどうなるか、なんとなく、わかってもらえると思います。

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https://www.facebook.com/CBCNovaScotia/videos/10155343038636842/

脳卒中と認知症のまとめ記事