こんにちは、ヨーコです。
なかなか物事はシンプルな説明では片付かないことが多いです。
例えば、この夏型過敏性肺炎の場合ですが、住居に繁殖する
トリコスポロンというカビを吸い込むことによって発生する病気なのですが、
老若男女同じようになる、というわけではりません。
誰が危ないかを書いた記事はこちらを!
リウ
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また、喫煙者か非喫煙者かによっても発生率は違うようです。
喫煙者と非喫煙者の発生理の比較について書いた記事はこちらを!
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そして、どうやら持病があるかどうかも発生率に関係するかもしれないようです。
リウマチと夏型過敏性肺炎の関係
今回は、リューマチの患者さんが夏型過敏性肺炎を発症した例を
名古屋市立大学医学研究科呼吸器・免疫アレルギー内科の大久保仁嗣先生のチームの
報告をもとに紹介したいと思います。
ちなみに、大久保先生の論文は(2016年)、夏型過敏性肺炎関係としては、
一番最近の論文の一つだと思います。
参考文献:
Ohkubo H, Okayama M, Fukumitsu K, Niimi A.
Summer‐type hypersensitivity pneumonitis in a patient with rheumatoid arthritis
on methotrexate and tacrolimus. Respirology Case Reports. 2016 Nov 1;4(6).
リューマチを治療中の59歳の女性
報告されているのは59歳の女性で、2年間、間接リウマチの治療のため
メトトレサキートとタクロリムスを内服していました。
この女性は、胸部X線で両側の肺にすりガラス状陰影を認め、血清KL−6値の上昇を認めたので
2015年の6か月中旬に、大久保先生の病院へ照会されて来たみたいですね。
この女性は非喫煙者。
風呂場と洗濯機からカビが見つかっています。
また、他の部屋も、散らかっていて汚なかったと報告されています。
夏型過敏性肺炎の原因であるカビがどこに繁殖するのかを書いた記事はこちらを!
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胸部CT像にて両側の肺にもすりガラス状陰影を認め、
酸素飽和度(血液中のヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるか)は、89%でした。
これは、呼吸器不全の域ですね(<90%)
リウマチの状態も安定していたので、
メトトレサキートとタクロリムスの内服を中止してもらったようです。
入院、そしてリウマチの薬をストップ
ところが7日目に急性呼吸不全になって大久保先生の病院ヘ入院となったわけです。
安静時と運動時の酸素飽和度は、それぞれ91%と78%。
さらに、 聴診の際、両肺から雑音聴取。
この時の胸部CT像にて両側の肺にもすりガラス状陰影は悪化。
血清中の抗トリコスポロン・アサヒ抗体の測定結果が陽性。
と、他にもいろいろあり、高容量コルチコステロイド薬による治療を行うことになりました。
その効果があり、呼吸不全は改善し、
コルチコステロイド薬による治療を中止し(入院15日目)、
メトトレサキートとタクロリムスを内服を再開してもらいました。
夏型過敏性肺炎が疑われていたので、
女性の夫が自宅の風呂場のカビを掃除したようですが、完璧ではなかったようですね。
というのも、女性は帰宅後4日で再び入院となってしまったからです。
カビの掃除の仕方に関する記事はこちらを!
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女性の夫がさらに風呂場のカビを駆除し、全ての部屋を掃除したようです。
そして、入院してから35日目にして、退院となりました。
その後は大丈夫だったみたいですね。
この一連のエピソードから、この女性は、夏型過敏性肺炎と診断されました。
この女性は、リウマチの薬で、夏型過敏性肺炎の症状が抑えられていたってことですね。