こんにちは、ヨーコです。


夏型過敏性肺炎は、トリコスポロンというカビが原因で発生します。

1973年に報告されて以来、夏型過敏性肺炎は日本特有の病気だと考えられてきました。


夏型過敏性肺炎の国内の報告(疫学)に関する記事はこちらを!

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カビのアレルギー、肺炎?夏型過敏性肺炎の疫学




しかし、稀ですが海外で確認されることもあります。

今回は、韓国で報告された例を、

ソウル大学病院のYoo先生のチーム報告された事例をもとに、レポートしたいと思います。



参考文献:
YOO CG, KIM YW, HAN SK, NAKAGAWA K, SUGA M, NISHIURA Y, ANDO M, SHIM YS.
Summer‐type hypersensitivity pneumonitis outside Japan:
A case report and the state of the art. Respirology. 1997 Mar 1;2(1):75-7.


女性(61歳)

この女性は主婦で、健康状態は良好、非喫煙者です。

主婦なので、家に滞在する時間が多いということですよね。


息切れ、咳、体重減少を経験しています。


先日レポートした2歳6ヶ月の男児の症状によく似ていますね。

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夏型過敏性肺炎(カビのアレルギー)、子供も老人もうつる?




夏型過敏性肺炎の典型的な例ですが、

家にいると症状が悪化し、家を離れていると良くなっていたそうです。


住んでいたのは、「韓国のハワイ」いわれる済州島です。

韓国の中でも最も気候が温暖なところですね。


この女性はソウル大学病院に入院後、自然に治ってしまったようです。


夏型過敏性肺炎と診断

1 臨床像

(A)咳、呼吸困難をの症状

(B)CTでスリガラス様の陰影

(C)肺機能の拘束性障害:動脈血酸素分圧(PaO2),肺活量(%VC)および拡散能(%DLco)の低下

(A)〜(C)の項目のうち2〜3項目が該当                +2ポイント

(A)〜(C)の項目のうち1項目が該当                  +1ポイント

2 最初の症状がみとめられた月 (韓国の天候にあわせ少し調整されています)

(A)5〜10月                             +2ポイント

(B)4月または11月                          +/ー0ポイント

(C)12月〜3月                            −2ポイント

3 環境誘発試験 

(A)自宅にいると症状が出る                       +2ポイント

(B)入院、または自宅を離れるとすぐに回復する              +1ポイント

4  理学的所見:(肉芽腫性)肺胞炎                   +2ポイント

5疫学的所見

間接蛍光抗体方法(IFA)による抗トリコスポロン・アサヒまたは、

抗トリコスポロン・ムコイデスが陽性                   +2ポイント


7点以上で「確実に」6点では「おそらく」と診断されます。

ざっと見ただけでも、7点以上ありますね。


これらのことから、

この女性は日本以外で初めて確認された夏型過敏性肺炎の患者とされました。


ここで学ぶべきことは、トリコスポロンは高温多湿が好き!

ということですね。

この条件が揃っていたら、警戒しましょう!


日本と韓国、どちらも高温多湿で、夏型過敏性肺炎発生というところです、ハイ。

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