こんにちは、ヨーコです。
夏型過敏性肺炎とは、
トリコスポロンというカビが原因で起こるアレルギー症状のことを言います。
夏型過敏性肺炎に関する記事はこちらを!
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名前が示す通り、この症状は夏に多く見られます(6〜10月)。
そして、その症状ですが風邪に似ているので放置されやすく、
毎年繰り返すうちに、慢性的になってしまいます。
「風邪に似ている」と言いいますが、もっと具体的に知りたいですよね。
そして「誰」がアブナイということも。
夏型過敏性肺炎の研究
今回は、夏型過敏性肺炎に関しての研究の中で、
1984年に出版に発表された河合健先生のチームの研究に注目したいと思います。
参考文献:
Kawai T, Tamura M, Murao M. Summer-type hypersensitivity pneumonitis:
a unique disease in Japan. Chest. 1984 Mar 31;85(3):311-7.
データの集め方
前回、安藤先生の夏型過敏性肺炎を含む過敏性肺炎の研究の時は
アンケートが使われました。
安藤先生の研究についての記事はこちらを!
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具体的な方法がちょっとわからないのですが、
今回の河合先生のチームは、日本全国からレントゲン写真を含むデータを集めました。
患者数
95人の過敏性肺炎の患者のうち、
夏型過敏性肺炎の患者数が64人(67.4%)とダントツ多く、安藤先生の時と同様ですね。
今回の場合は鳥飼肺の割合が夏型過敏性肺炎の次に多いですが、
全体のパターンとしては安藤先生の時と非常に類似しています。(グラフ参照)
季節
ほとんどの夏型過敏性肺炎患者(95.3%)の最初の症状が安藤先生の時と同様に、
6月から9月の間に現れています。
最初の症状が一番多く現れる月は7月でした。
5月、10月、11月に最初の症状が現れた患者は次の年にも同じ症状現れたようです。
半分以上の患者の家ではエアコンが設置されていたようですね。
年齢、性別
気になる年齢です、一番多かったのは群を抜いて40代です(全体の20〜25%)。
次に多かったのが30代と50代(それぞれ10%強)。
次に20代と60代(それぞれ10%弱)。
20才以下は5%強。
70代は約2%。
20才以下が5%というのがちょっと気になりますね。
20才以下というと0〜19才ということですが、詳細がちょっとわかりません。
幼児の患者もいるという可能性もあります。
性別に関してですが、なんと女性が男性の1.8倍も患者数が多かったです。
年齢別のデータと組み合わせてみると、60才以下ですと
どの年齢層でも患者の半数以上が女性です。
先ほどのもっとも患者数の多い40代ですが、女性の占める割合も最も多い年齢層です。
60代、70代になりますと、なぜか患者は女性だけでした。
夏型過敏性肺炎の場合、他の過敏性肺炎と違ってその発症は職業とは関係していませんが
一番患者数が多かったのは40代の主婦だったようです。
あと、夏型過敏性肺炎患者の中の17%に、症状が出ている家族がいたようです。
ある家族の場合、両親と子供二人の4人家族全員に症状が出ていました。
症状
一番多い症状は咳です(約95%)
次いで呼吸困難(90%強)そして、熱(60%強)と痰(60%弱)。
数はぐっと減ってきますが、
体重の減少、倦怠感、動悸、頭痛、胸の痛み、上腹部の痛み、
皮膚の色の変化などもがあります。
胸部聴診の際に、84.5%の患者から雑音が確認されたそうです。
確かに、風邪に似た症状のようですね。
病院でも風邪と誤診することがあるようです。
夏に風邪か?と感じたら夏型過敏性肺炎も疑ったほうがいいようです。