こんにちは、ヨーコです。
高齢者の事故の実情
私はカナダに住んでいるので、
日本のニュースはもっぱらオンラインのニュースを読んでいます。
最近気になるニュースのひとつに、高齢者が加害者となる交通事故や死亡事故があります。
身近なところでも、以前の職場の顧問の先生が、雨の日の夕方(結構暗かったようです)
「横断歩道を歩行中、右折してきた車に接触され」病院に運ばれたという事故がありました。
日本では、「左折してきた」になりますね。
高齢者の運転、とても危ない感じがしますよね。
でも、本当うにそうなんでしょか?
高齢者は巷で言うほど危険なドライバーではない
巷では高齢者は危険極まりないドライバーというレッテルを貼られていますが、
警視庁交通局の平成27年(2015年)の交通事故の発生状況に関する報告の中で、
いくつか注目したい点がありました。
年齢層別の免許保持者の中の交通事故件数に関しては、80才以上がベストワン、
ついで、10代(16−19才)、そして70代となっています。
つまり、80才以上のドライバーの交通事故件数は一番少ないということです。
発生件数も大切ですが、それぞれの年齢層の人口が違うので、割合を知ることも大切です。
10人の中の1件と、100人の中の1件とは重みが違いますよね。
10代から80代以上の免許保持者の中で、
交通事故発生率の1倍多い年代は、10代(16−19才)
ついで20代、そしてワーストスリーになっているのが80才以上のドライバーでした。
30代から70代のドライバーの発生率は似たりよったりです。
10代、20代のドライバーの方がアブナイ!
10代と80代は、件数だけではベストスリーに入っていましたが、
割合になるとワーストスリー入りです。
10代の免許保持者の占める割合はは全体の3.6%、
80才以上は全体の2.9%しか構成していません。
年齢別の人口の割には、事故が多いということになります。
20代の占める割合は全体の中でトップの20%。
人数も多いし事故も多いってことですね。
車の運転に必要な認知機能
しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、
車の運転には認知機能が山ほど必要で、
私たちの認知機能は年齢とともに衰えてくるということです。
- 視覚の短期記憶
運転中に目から入ってくる情報を短期間保存し、分析します。
運転中は視界がどんどん変わっていきます。
視界からの情報も、すぐに消えてしまっては分析できませんよね。 - 分割的注意
運転中には標識に注意を向けながら、車線変更をするためにミラーを確認したりと
複数のことに注意を向けなくてはなりません。
注意をこれらのことに分割して使っています。
街中では歩行者にも注意を向けたりと大変です。
ただし、私たちの注意の容量には限りがあります。それをお忘れなく!
注意の容量に限りがあるという記事はこちらを!
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- 集中、抑制、スイッチ
運転中には、運転に集中しなくてなりません。
でも周りではいろいろなことが起こっています。
人を乗せている時も、会話に気を取られてなどいられません。
歩行者が多い場所や初めて行く所で、ほとんど同乗者が話しかけるのを「無視」して、
運転に「集中」する必要があったことはありませんか?
さらに運転中には、集中する対象が複数あったりします。
信号に集中してから、素早く歩行者に集中するといった具合に。
運転中にはこいういったことを素早くしなくてはなりません。
スイッチのことを詳しく書いた記事はこちらを!
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- 知覚
運転中には、前方の一点だけを見て運転しているわけにはいきません。
眼球を動かさなくても、左右の状況をいつも確認していなくてはいけません。
また、標識、信号、対向車、歩行者、建物など、様々な情報を取り入れながら、
必要な情報を分析していきます。 - 概算
概算機能も大切です。
左折する時など、対向車の距離とスピードを概算し、
左折するかどうかを判断しますよね。
残念ながら、こういった認知機能は高齢化とともに衰えていきます。
ドライバーとしてはワーストワンではありませんが、
自覚をして、脳トレに励み(!)安全運転をしましょう。