こんにちは、ヨーコです。


私の住んでいるカナダでは、2012年から全ての州で

運転中の携帯電話の使用が禁止になりました。


でも、ハンズフリーの携帯に対する規則はまだありません。


日本でも2004年から運転中の携帯電話の使用に対する罰則が強化されました。


誤解されがちな、携帯が危ない理由

都道府県の道路交通規則で

イヤホンマイクによる通話が禁止されている場合があるようですが、

多分、外部の音が遮断されて危険ということからでしょう。


しかし、私たちが知らなくてはいけない

運転中のハンズフリーの使用が危険な本当の理由は、

音が聞こえなくなるからではありません。

携帯が危ない本当の理由はこれ!

運転中の携帯電話の使用が危険な本当の理由は、

認知機能の中の「注意」機能が低下するからなんですよ。

「注意」は、運転するうえでなくてはならない機能。


運転に必要な「注意」の機能を説明した記事はこちらを!

↓↓↓↓

高齢者の運転は危ない?:安全運転に必要な認知機能とは?



ハンズフリーも同じこと

だから、どんなタイプの携帯電話を使っていても危険度は同じ

スピーカーフォンでも同じです。

というか、

ハンズフリーの方が手に持つタイプよりももっと危ないというレビューがあります。


参考文献:
Ishigami Y, Klein RM. Is a hands-free phone safer than a handheld phone?. Journal of safety research. 2009 Dec 31;40(2):157-64.

ハンズフリーはもっと危険という証拠



このレビューでは、手に持って会話をした場合と、ハンズフリーで会話をした場合、

運転に関する能力に与える影響はどのように違うのかを調査した論文10本をまとめています。


運転に関する能力とは、例えば、指定されたものを運転中に発見する反応時間などです。

反応時間を調べることによって、認知機能の良し悪しを計ることができます。


反応時間は車を運転するうえで非常に大切です。

反応時間が早いか遅いかによって、

例えば、急に飛び出してきた子供を見て、急ブレーキをかけ、

危うく事故を免れるかどうかなどに関わってきます。


驚くべき結果、または「然もありなん」的な結果?

ハンズフリーは安全という意識がある人には、

驚くべき結果(認知心理学の立場からいうと、驚きではないんですが)が報告されています。

  1. ハンズフリーを使用していても、使用していない人に比べて、運転中の反応時間が遅い。
  2. ハンズフリーを使用していても、携帯を手に持っていても反応時間に変わりはない。

    当たり前と言えば当たり前の結果ですね。

    手に何かを持っているかいないかが、認知機能に影響するとは考えにくいですし。

  3. 携帯を手に持って会話しているとハンズフリーの時に比べて運転速度が落ちる。

    これは、携帯を手に持っていると、やはり気持ちの上で「危ない」という認識があり

    意識的にゆっくりと運転することになるのでしょう。

    逆に、ハンズフリーだと「安全」という神話を信じて、

    いつもと同じスピードで運転するのでしょう。

ハンズフリーでも、手に持っていても、反応時間は同じ。

ハンズフリーで運転していると運転速度が早い。


つまり、もし子供がいきなり飛び出してきた時に

どちらも反応速度が遅いけど、ハンズフリーだとスピードが出ているので

ブレーキをかけてからの停車距離が長く、

事故になる可能性が大きい?!



ハンズフリーの方が危険ってことではないですか!(レビューの結論です)。


会話って、非常に高度な認知機能を必要とするんですね。

「注意」の容量には限りがあって、会話の方に使われていると

本来安全運転のために使われていなくてはならない

「注意」の割り当てがグーンと減ってしまいます。

その結果、そこまでひどくなくても認知障害っぽくなってしまうんだと思います。


運転中の携帯の使用を禁止しても、ハンズフリーはオッケーというのは

残念というか、危ない話です。

頭隠して尻隠さず的な感じですね。


ということで、みなさん、運転中の携帯の使用はハンズフリーであっても、やめましょうね。

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