こんにちは、ヨーコです。


運転中の携帯の使用(ハンズフリーも含め)、は危ない!

という話しをしていると、時々こういう質問がされます。


「じゃあ、助手席の人との会話もどうなの?これも危ないの?」


ここで再び、運転中の携帯の使用に関する研究の権威、Strayer博士が

この質問に答えるべき実験を行いその答えを出しています。


参考文献:
Drews FA, Pasupathi M, Strayer DL. Passenger and cell phone conversations in simulated driving. Journal of Experimental Psychology: Applied. 2008 Dec;14(4):392.


携帯電話での会話と助手席の人との会話が運転手に与える影響の違い

さて、この実験の中では参加者が2つのグループに分かれれてもらいます。

  • 助手席の人との会話グループ
  • 携帯電話での会話グループ

そしてそれぞれのグループの中で会話のペアを作ります。

で、ペアの2人のうち一人は運転する人、もう一人は会話の相手、という役割を与えられます。


運転する人の課題は、運転のシュミレーターで、ルールに従い高速道路を運転し、

決められた場所から高速道路から出る、というのもです。


出典:Drews et al. (2008)

結果は、

決められた場所から高速を出ることができなかったドライバーの数が

携帯電話のグループでは4倍も多かった
という結果になりました。


つまり、携帯電話で会話していると、そちらの方に気を取られ

出口を通過し、そのまま走って行ってしまった、とうことですね。


たぶん、出口のサインは見えていたと思うんですが

その情報がしかるべく処理されなかった、とうことです。

これって、見えているのに見えていない「非注意性盲目」を思い出します。


運転中の「非注意性盲目」に関する記事はこちらを!

↓↓↓↓

運転と認知機能の関係:非注意性盲目〜運転中の携帯電話が危ない理由




携帯の会話と助手席の会話の違い

では、携帯の会話と助手席の会話では何が違うのでしょう?


この実験では、会話の内容や、頻度も調べてます。

そこでわかったことは、

  • 助手席の人との会話では、交通に関する内容が多い。
  • 助手席の人との会話では、運転が難しい場所になると自然に会話が少なくなる

とうことでした。


助手席の人は、「状況を把握している」ので、

ドライバーの負担になるようなことはしない、ということですね。


というか、助手席の人は、ドライバーを助けているとう感じです。



ところが、携帯の会話の相手は、ドライバーがどんな状況にあるか知らないので

状況にお構いなくガンガン会話を続けるわけです。


ということで、携帯での会話と助手席の人との会話は

会話する相手の「状況認識」が違うので、会話が運転に与える影響も違う
、ということです。


あ、でも助手席の人でもガンガン話をしていたり

子供が車の中で騒いでいたりという状況は、

携帯電話で会話しているときの状況と似ていますよね。

運転に必要な「注意」がそちらの方に使われてしまう、という意味で。

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