こんにちは、ヨーコです。


いつもしていることなのに、うっかりミス。

そんな難しいことじゃないのに、うっかりミス。




こんなことがあると、自信がなくなってきますよね。

アラフィフの私も最近、うっかりミスが増えてきたような気がして、

もう脳が老化?

と、心配になったりします。



でも、心当たりはあるのです。

忙しすぎるということです。


そして、もう一つの原因は、「スイッチコスト」ではないかと思っています。

スイッチコストとは?

スイッチコストは、認知心理学の中で使われる用語で、

課題Aを連続してこなした後、課題Bをすると

課題Bの結果が思わしくない、

という現象です。


ただこれは、課題Bの最初のうちだけで、

課題Bに慣れた後、課題Aをすると

今度は最初のうちだけですが、

課題Aの結果が思わしくない、ということになります。

つまり、今までしていたことと違うことをすると、スムーズにできないということです。

「スイッチコスト」は

認知心理学の中では、とても有名な課題なので、ちょっと紹介したいと思います。


ストループの実験

こんな課題です。


課題A:コンピューターに表示される漢字のインクの色を答える。

課題B:コンピュータに表示される漢字を読む。


なんだ、そんなものか、と思われるでしょう。


ところが、表示される漢字の例をちょっと見てください。



上記のの例ですが、最初の青いインクで書かれたの赤に対する、正しい答えは「青」です。

でもどうしても「赤」と答えてしまいがちです。


課題Aはちょっと難しいですよね。

なぜかというと、

課題Aでは、私たちの自然な反応である「漢字を読む」反応を抑え、

あえて、色を答えることに集中しなくてならないからです。


これは、注意のネットワークの

反応の競合を解消する(executive control)の機能を駆使していますね。


今までしていたことをさっさと忘れ、さあ次!ということができるかどうかですね。


注意の機能を詳しく書いた記事はこちらを!

↓↓↓↓

高齢者の脳トレ:認知機能(注意のネットワーク)を鍛えよう!



さて、ストループの実験では、課題Aと課題Bを交互に繰り返します。こんな感じです。


AAAAABBBBBAAAAABBBBBAAAAABBBBB


計測しているのは、反応時間や正確さなのです。

よく知られている結果としては、

課題が変わった後の新しい課題の反応時間が遅い、ということです。

そして、これが「スイッチコスト」です。


課題Aの後に課題Bがくると、事前に分かっていてもです。


スイッチコストは、注意のネットワークの「反応の競合を解消する(executive control)」に
関係しています。

毎日の中のスイッチコスト

私たちの毎日の中では、ストループの実験よりはるかに多い課題をこなしています。


年末に帰った時母を見ていると、いろいろなことをしていました。

  • 年賀状を書く
  • 家計簿をつける
  • 献立を考える。
  • 英会話の宿題をする
  • ご詠歌の練習をする
  • 散歩に出かける
  • 畑の手入れをする等です。

様々な「課題」がありますよね。


スイッチコストの考えに照らし合わすと、

例えば、「年賀状を書く」課題から「家計簿をつける」課題に移った直後、

「家計簿をつける」課題の正確さが少し落ちる、などの可能性も無きにあらずなのでは?

または、家計簿をつけている途中に、うっかりそばにあったお湯のみを倒してしまったりとか。

フトループの実験でもそうでしたが、

パフォーマンスのレベルが落ちるのは、

どんなに心の準備をしていても避けられない現象のようです。


ただ、「スイッチコストがあるかもしれない」という心の準備があると

実際にコストを体験した時、驚かずに済むという、

今回は、非常に消極的なアドバイスになってしまいました。




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