こんにちは、ヨーコです。
夏に咳が出たりすると、夏風邪か?
なんて思ってしまいますよね。
症状がひどくなると、肺炎か?
と、疑ってしまいます。
実際に、病院でもこのように診断される場合があるのです。
カビのアレルギー、夏型過敏性肺炎は。
カビのアレルギー、夏型過敏性肺炎は因縁に関する詳しい記事はこちらを!
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夏型過敏性肺炎の原因となるのはトリコスポロンというカビなんですが、
このカビ、家に繁殖してしまっているんですね。
トリコスポロンの居場所を書いた記事はこちらをどうぞ!
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家族内発生例
さて、ここで問題です。
山田さんの家にトリコスポロンが家に繁殖し、
山田さんの奥さんが夏型過敏性肺炎になりました。
さて次に起こることはなんでしょうか?選択肢の中から一つ選んでください。
- 奥さんの会社の同僚、鈴木さんも夏型過敏性肺炎になる
- 奥さんと電話でよく話をする妹の花子さんも夏型過敏性肺炎になる
- 同じ家に住む山田さんも夏型過敏性肺炎になる
- 近所に住む山田さんのお母さんも夏型過敏性肺炎になる
正解は、3の、同じ家に住む山田さんも夏型過敏性肺炎になる、です。
家族内発生:実例
さて、もう少しアカデミック(学術てき)なお話をしてみましょう。
同じ家に住む家族が同時に夏型過敏性肺炎になる家族内発生に関する実例を報告した
論文はいくつもあるのですが、今回はその中から杏林大学の中嶋晃先生のチームの
論文を取り上げたいと思います。
参考文献:
Nakajima A, Saraya T, Mori T, Ikeda R, Sugita T, Watanabe T, Fujiwara M,
Takizawa H, Goto H.amilial summer-type hypersensitivity pneumonitis in Japan:
two case reports and review of the literature. BMC research notes.
2013 Sep 13;6(1):371.
58才、既婚女性Aさん
中島先生のチームで報告されているのは、
2012年の夏に入院した58才、既婚女性Aさんです。
Aさんは、1ヶ月ほど、熱(38度)、呼吸困難、咳が続いていました。
Aさんによると、家にいるときだけこの症状が現れたそうです。
Aさんはタバコを吸いますが、特に健康にいうところはありませんでした。
バイタルサインは以下の通りでした。
- 血圧:108/70 mmHg (自宅では買った場合の正常値は125/80未満)
- 心拍数:89回/分 (正常値は60〜100回ほど)
- 体温:37.7°C
- 呼吸数:20回/分 (正常値は14~20回ほど)
- 酸素飽和度(血液中のヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるか):89%
(呼吸器不全<90%)
さらに、 聴診の際、両肺から雑音聴取。
血清中の抗トリコスポロン・アサヒ抗体の測定結果が陽性。
その他の検査と合わせて、Aさんは夏型過敏性肺炎と診断されました。
Aさんの低酸素血症は次の日には自然に良くなり、5日目には退院しました。
が、2週間後に再び夏型過敏性肺炎のため、
入院し、経口プレドニゾロン(0.8 mg/kg/日)を処方されました。
自宅を消毒し、床を再び覆った後、入院8日目に退院しました。
Aさんの夫:53才、既婚男性
Aさんの夫(喫煙者)は、Aさんと同じ2012年の8月初旬から2週間ほど続く
熱(38度)、呼吸困難、咳をうったえていました。
当初は否定型肺炎と診断され、抗生物質を処方されました。
Aさんの夫のは1週間で完治し退院しました。
が、退院し自宅に戻った3時間後に同じ症状が現れ、再度入院。
Aさんの夫バイタルサイン
- 体温:37.7°C
- 酸素飽和度:80%
聴診の際、両肺から雑音聴取。
Aさんも同じときに夏型過敏性肺炎と診断されていること
抗トリコスポロン・アサヒ抗体が陽性であることから、
Aさんの夫も、夏型過敏性肺炎と診断されました。
Aさんの夫は、特に治療することもなく、入院7日目に退院しました。
Aさん宅を調査
畳:腐ったような状態で、畳の裏には白っぽい悪臭のする微粒子
培養したこの物資は、トリコスポロンらしいと報告されています。
......Aさん夫婦は、凄いところに住んでいたんですね。
この報告は、夏型過敏性肺炎と家族内発生の関係を
自宅という重要な要素を通して表していますね。
これを機に家の掃除をとお考えの方、こちらの記事をどうぞ!
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