こんにちは、ヨーコです。
前回、夫婦でカビのアレルギー夏型過敏性肺炎にかかった、家族内発生の例を紹介しました。
家族内発生の詳しい記事はこちらを!
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夏型過敏性肺炎が、トリコスポロンという住居に繁殖するカビが原因だということを考えると、
トリコスポロンの繁殖する家に住んでいる人が、
複数夏型過敏性肺炎にかかるということも頷けます。
このご夫婦の例は、2013年に杏林大学のなか晃先生のチームが報告していますが
中嶋先生のチームは同じ論文内で文献レビューもレポートしています。
一件の例だけでは、家族内発生は偶然だったのではないか?
と、思っている皆さん、まだ他にも事例(証拠)があるんですよ!
文献レビューとは
文献レビュー(literature review)とは何かを、まず知っておきましょう。
研究者が論文を発表するときに
導入部分にテーマに関する他の研究者が発表した論文のまとめをします。
これを文献レビューと言います。
自分のテーマに関する全ての論文をまとめていたらきりがないので、
普通は自分のテーマに直接関係ある論文のまとめをします。
文献レビューそのものを論文にしてしまうということも可能で、
そういうときは、論文の導入部にする文献レビューよりも大掛かりなもレビューなります。
文献レビューのありがたいところは、一つ一つの文献をいちいち読まなくても
テーマに関する傾向やパターンなどがわかることです。
もちろん文献レビューを読んで興味のある論文があれば、
その論文をちゃんと読んでみる、ということにもなります。
中嶋先生のチームの文献レビューは、
論文の途中で紹介されていてちょっと変わったパターンですが、
とても重要なことをまとめています。
参考文献:
Nakajima A, Saraya T, Mori T, Ikeda R, Sugita T, Watanabe T, Fujiwara M,
Takizawa H, Goto H. Familial summer-type hypersensitivity pneumonitis in Japan:
two case reports and review of the literature. BMC research notes.
2013 Sep 13;6(1):371.
家族内発生の例、これが証拠だ!
ここでは1982年から2012年までの間に報告された家族内発生を紹介します。
この30年間の間に、22本の論文が出版され、
2013年に中嶋先生の報告している夫婦(2人)を含め
合計49人の夏型過敏性肺炎の患者について報告されています。
49人中、32人が大人、17人が子供でした。(最年少2才、最高齢74才)
女性の割合は55%、男性の割合は45%でした。
夫婦間での家族内発生は10組(20人)でした。
この夫婦10組のうち子供も発症していたのは3組、親と両親の計9人が発症していました。
親と子供が関わる家族内発生は(上記の3組を含め)、15件(33人)でした。
子供だけが発症していたのは、1件(2人でした)。
大人の患者32人のうち、23人の喫煙に関する情報があります。
23名のうち、喫煙者は12人(52%)非禁煙者は11人(48%)でした。
49人の患者のうち35人が抗トリコスポロン抗体の測定をし、
31人(89%)が陽性でした。
また、49人のうち、
呼吸器不全(酸素飽和度<90%)と診断された人が22人(45%)いました。
酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかということです。
治療とその後
- 経口プレドニゾロン (20人、41%)
- カビとの接触を避け、家の掃除(11人、22%)
- 別の家へ引っ越し + 経口プレドニゾロン(10人、20%)
- ?(2人、4%)
引っ越しをした11人は、症状の再発はありませんでした。
引っ越しをしなっかた患者のうち11人(22%)が繰り返し症状を訴えました。
夏型過敏性肺炎と診断されたら、まずカビを撃退しなくてはなりません。
トリコスポロンの居場所を書いた記事はこちらをどうぞ!
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そして、掃除でカビを撃退!カビの掃除に関する記事はこちを。
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それでもだめだと、最悪引っ越しという選択も考えなくてはならないようです。