こんにちは、ヨーコです。


日本ではまだ聞き慣れないフレイルですが、

海外、私の住んでいるカナダでも非常に注目され研究されています。

前回は簡単にフレイルとは何かを説明してみました。↓↓↓↓

フレイルとは?フレイルになるとどうなるの?





そのフレイルですが、2009年にアメリカで行われた横断的研究によると、

予測要因として、

異常値に達している生理的機能の数が重要であることがわかっています。


今回は、その研究を紹介したいと思います。

被験者

アメリカのバルチモアに住む70−79歳以上の女性(704人)で、

以下の4つの機能のうち少なくとも一つを大変だと感じていること、

  • 動くこと全般
  • 腕や手を使った動き
  • 家事
  • 身づくろい

血液サンプルを提供できること、

そして、MMSEのスコアが18点以上であることが条件です。


MMSEは、認知機能を計るテストです。MMSEに関する詳しい記事ちゃこちらを!↓↓↓↓

認知機能を計るテスト、MMSEの解釈:ミニメンタルステート検査



フレイルの診断

フレイルと診断されるには、

  • Shrinking(体重減少)
  • Weakness(握力低下)
  • Exhaustion(持久力低下)
  • Slowness(歩行速度低下)
  • Low activity(身体活動性の低下)



のうち 3 項目以上 該当していなくてはなりません。


フレイルの前段階であるプレフレイルかどうかは、

先ほどの5項目のうち1または2項目だけの場合としています。


この研究で、実際にフレイルと診断された人は、10%

プリフレイル(将来フレイルになる兆候がある人)は45%でした。

生理的機能の異常の定義

生理的機能の異常レベルは、以下のように定義されています。

  • 貧血:ヘモグロビン値 <12 g/dL (%)
  • 炎症性疾患・免疫性疾患:IL-6 >4.6 pg/mL (%)
  • ホルモン年齢低下
    • IGF-1 <74.3 ng/mL (%)
    • DHEA-S <0.215 mcg/mL(%)
    • ヘモグロビン A1c ≥6.5 (%)
  • 肥満:皮下脂肪厚 <17mm (%)
  • 手の細かい運動スピード低下:Purdue Pegboard Test >31.9 秒(%)
  • Purdue Pegboard Testに関する詳しい記事はこちらを!↓↓↓↓

    ペグボードテスト:手の動作で診断する神経心理学的検査



  • 微量栄養素欠乏
    • 25-ヒドロキシビタミンD <30 mmol/L
    • 葉酸 <5 ng/mL
    • ビタミンB12<300 pg/mL
    • アルファ・トコフェロール(ビタミンE)<11.6 mmol/L
    • カルチノイド <0.45 mmol/L

フレイルと慢性疾患の数との関係

被験者の中で、慢性疾患の数が3つ異常の人は、

フレイルの人が、39%。プリフレイルの人は、20%。

フレイルではない人3%となっていました。


つまり、慢性疾患の数が多い人ほど、フレイルであったということですね。

フレイルと生理的機能との関係1

さて、フレイルと生理的機能の関係ですが、

葉酸とビタミンB12以外は

異常のレベルが高いほどフレイル(1.8〜3.6倍)ということでした。

フレイルと生理的機能の関係2

ここでは、もう少し高度な分析をしています。

つまり、フレイルと、例えば運動スピード低下の関係を調べる時、他のシステムの計測値を

計算上被験者全て同じと仮定し、他のシステムの影響をなくしてしまいます。


その結果、以下の場合、

フレイルになる確率が増えることがわかりました。(2.6〜3.4倍の確率)

  • 微量栄養素の異常が2項目以上あり
  • 皮下脂肪厚の異常あり
  • 運動スピードの異常あり

フレイルと異常値に達している生理的機能の数の関係

次に、フレイルと異常値に達している生理的機能の数の関係を調べてみました。

結果は、異常値に達している生理的機能の平均数が

  • フレイルの人:2.7
  • プリフレイルの人:1.8
  • フレイルではない人:1.3

と、生理的機能の異常の数が多くなるほど、フレイルになりやすいという結果です。↓↓↓↓


生理的機能異常のレベル vs 生理的機能異常の数

生理的機能異常のレベルと、異常値に達している生理的機能の数のどちらが

より正しくフレイルを予測できるかという疑問があると思います。


研究者たちは、異常値に達している生理的機能の数の方が、

フレイルを予測できるという結果を報告しています。

まとめ

今回の研究では、

フレイルを予測するにおいては、生理的機能異常の数がグッド!ということですね。


参考文献:
Fried LP, Xue QL, Cappola AR, Ferrucci L, Chaves P, Varadhan R, Guralnik JM, Leng SX, Semba RD, Walston JD, Blaum CS. Nonlinear multisystem physiological dysregulation associated with frailty in older women: implications for etiology and treatment. Journals of Gerontology Series A: Biomedical Sciences and Medical Sciences. 2009 Jun 30;64(10):1049-57.