こんにちは、ヨーコです。


皆さんは何か責任もってしていることありますか?


会社員の皆さんは、毎日が仕事という責任の連続。

会社を経営している皆さんは、社員の生活にも責任を持つという毎日。

自営業の方も、自分自身に責任を持つという、これまた違った責任。



定年退職された皆さんは、働いていたときとは違うかもしれませんが

毎日いろいろあることと思います。

犬の世話、自治体の役員、ゴミの日の当番、夫(妻)の世話、孫の世話、アルバイト等々。


今日は、自分の意思で何かをすること、

何かの世話をすることの大切さについて書きたいと思います。


施設のスタッフが全てをしているご家族がいる方、家でゴロゴロしている皆さん、

これは、脳トレ以前の、生き死にに関わることかもしれないんです!(ちょっと大げさかな?)

制御感の大切さ〜3週間で効果が!

「制御感」というと、ちょっと???ですよね。

要は、物事に対して自分の意思で責任持った行動していて、そのことに関して

自分が「コントロール」しているという認識がある、ということです。



私がまだ心理学を学んでいた学生だった頃知った研究を紹介したいと思います。

(Langer & Rodin, 1976; Roding & Langer, 1977)

その当時は知らなかったんですが、結構有名な研究らしいです。


1970年代にLangerさんとRodinさんが、老人ホームである実験をしました。

ある階に住んでいる24人の高齢者を実験グループに、

別の階に住んでいる28人を照合グループ(非実験グループ)と二つのグループに分けました。

(高齢者なのはわかっているんですが、

論文のどこを探しても年齢のことが書いてありませんでした。)


実験グループは、「責任ありグループ」照合グループは「責任なしグループ」としましょう。


スタッフがこの二つのグループに別々に老人ホームのことについて説明しました。



「責任ありグループ」ではどんなことが話されたかと言いますと、

基本的には、自分で好きなことを責任をもって、どんどんしましょうという内容です。

例えば、部屋の模様替えも好きなようにしていいんですよ。

時間をどのように使うか、自分で決めましょうね等々。


そして、最後にスタッフが持ってきた植物の中から、高齢者が好きなものを選びます。

スタッフは、高齢者がその植物にを責任持って水をやり、世話をするように言います。



「責任なしグループ」ではどんなことが話されたかと言いますと、

基本的には、スタッフが全て皆さんのためにして差し上げます、という内容です。

例えば、部屋の模様替えもご希望に沿うようにしますよ等々。

スタッフが責任を持って皆さんの滞在を快適なものしますよ、と。


そして、最後にスタッフが植物を高齢者に配ります。

その植物も、スタッフが責任を持って世話をします、と言います。


そしてこの説明の1週間前と3週間後に

実験に参加した高齢者に主観的幸せ感と社会参加度を、

高齢者をインタビューした看護婦に彼らの注意の喚起度に関する

アンケートに答えてもらいました。


ちなみに、注意の喚起度は認知機能の中の注意のネットワークの一つでもある

「刺激に備えて準備する(alerting)」に関係しています。詳しい記事はこちらを!

↓↓↓↓

高齢者の脳トレ:認知機能(注意のネットワーク)を鍛えよう!




結果として、「責任ありグループ」の方が、3週間という短い間ですが、

主観的な幸せ感、社会参加度、そして周囲の喚起度とも「責任なしグループ」よりも

アップしていたと報告されています。


たった3週間で、そんなに差が出るなんてすごいですよね。

実験から18ヶ月後

そして、ここが生き死にの問題という下りなのですが、

18ヶ月後に、同じ研究者がその後参加者の調子はどうかと調べに行ったのです。


今回は看護婦と主治医に参加した高齢者に関するアンケートを取ったのですが、

18ヶ月前に「責任ありグループ」に参加した高齢者の方が

健康、幸せ度、雰囲気、社会参加度に関して

「責任なしグループ」よりも良かったと報告されています。


問題はここなのですが、

この老人ホームのこの18ヶ月の間の死亡率は25%でした。

「責任ありグループ」の死亡率は15%、ホームの平均以下

しかし、「責任なしグループ」は30%と平均以上でした。


これが何を意味するのか?

偶然というにははあまりにも差がありますね。

因果関係は証明されていませんが、責任ありの方がいいってことですよね?




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