こんにちは、ヨーコです。
夏バテや梅雨バテの原因として、体内の十分な水分の不足が挙げられます。
70代の母と水分補給の話をしているときに、母がよく口にするのが
「そんなにたくさん飲めないよ。」
「そんなに飲んだら、余計調子が悪くなっちゃう。」
「胃液が薄まって、食欲がなくなるよ。」
言っていることもわかるのですが、やはり水分補給は大切です。
物事には、正しい方法と、その背景にある「なぜ」があるはずです。
今回は、なぜ水分補給が大切なのか、水分の正しい補給の仕方、
水分の間違った補給の仕方をまとめてみたいと思います。
体温調整と発汗の関係
ここではヤクルトが発行する健康情報誌「ヘルシスト」の
208号(2011年)に掲載された
中京大学スポーツ科学部教授の松本孝朗先生のお話をもとにしています。
暑い夏、ときには気温が体温と同じくらいまたはそれ以上に上昇します。
梅雨時、初夏には意外に気温の差が大きかったりもします。
そんなときに私たちの自律神経は発汗によって体温を調節しようとします。
つまり、体温を37度くらいに保とうとするわけですね。
余談ですが、発汗によって体温を調節するのは動物の中でも珍しいです。
犬などは、舌を出してハアハアすることによって放熱し体温調整をしています。
ヒトの発汗は非常によくできた冷却システム。この機能があるからこそ、
ヒトは暑い中でも動物のように日蔭で休まずに、
仕事をしなくてはならなくなったわけです。
ところで、暑いときにかく汗は「温熱性発汗」という種類の発汗です。
温熱性発汗は、温度を一定に保つために欠かせません。
汗っかきで困るという方がいますが、肥満でなければ、基礎代謝が高くて、
日頃運動をしているために汗腺もよく発達している、
発汗能力に優れた人だといえます。
なるほど。
松本先生の話をまとめると、温熱性発汗はよいことで
汗をかきにくくて気をつけなくてはいけない人は
- 運動習慣のない人
- 汗腺が未発達の幼児やこども
- 発汗機能が衰えた高齢者
などです。
水分補給のタイミングと量
さて、発汗に伴い大切なことが、水分を補給することです。
なぜかというと、発汗に伴い体液が失われるので、水分を補給しないと
車でいう「オーバーヒート」のような状態になってしまうからです。
私たちは、2%の脱水になって初めて喉が渇いたと感じるそうです。
ところが、このときにはもう、発汗の量が十分でない可能性があります。
つまり、体温調整の機能が働かなくなってきたということですね。
ではたくさん水分補給をすればいいのでは?
ところが、一時間に私たちが吸収できる量は1リットルが限度だそうです。
なので、飲みたいと思う前に水分を補給することが大切です。
量の目安としては、普段の生活なら一時間にコップ半杯以上。
これなら大した量ではないですね。
外出や運動前には、コップ一杯以上を補給しましょう。
高齢者は、喉が渇いたという感覚も鈍くなってきているので、
さらなる注意が必要です。
間違った水分の取り方
心あたりがある人、今年は注意しましょう!
- 喉が渇いてから水分を取る
- 大量の水分を一度に取る
- 喉が渇いているからと、冷たいビールを飲む
カフェインの入ったお茶、紅茶、コーヒーもこのリストにのるかと思いきや
飲まないよりマシだそうです。
少しづつ、口を湿らす程度に水分を補給していれば、
「余計調子が悪くなっちゃう」ことを避けられると思うのですが。